友達にも心を開けなかったUさんのメール相談から(後半)
=お母さんに否定された?=
『高2の時に私が看護士になりたいと母に言ったとき、母は人付き合いが苦手な私には無理だと言って反対しました。高校3年になって、将来の夢が見つからなかったので、大学にも行く気はなかったのですが、私の高校は進学校だったこともあり、大学を目指すしか選択肢がありませんでした。』
=母の勧めに応じたけれど=
『そのときに母が、両親とも建築事務所に勤めているので、建築系の学部を勧められました。私も母の意見に納得して、受験したら運よく合格したので、そこに入学しました。でも、人間関係が辛くて結局一年も続かず中退しました。』
=やっぱり看護師になりたい!=
『やっぱり自分は看護士になりたいと思い直して、去年、受け直して入ったのが今の短大です。話は最初に戻るのですが、今の短大でも人間関係が辛くて夏休み明けから休み始め、今は完全に不登校です。母はいつもイライラとしていて限度を超えると怒りを爆発させて私を責めます。こんなことが繰り返されているので、今は将来のこととかは母と話すことはなるべく避けています。』
質問1!「依存していると言われても仕方ないのでは?」
『依存的かどうか、自分では分からないです。でも、母に気に入られようとして、機嫌を悪くしないように顔色を窺がったりして来ました。そうしないと、欲しい物を買ってもらえなかったり、テレビを見せてくれなかったり、自分にとって不利になるので・・・・・・・・。』
質問2!「二十歳にもなって秘密はないのですか?」
『秘密は少しはあります。けれど、今は秘密にしていても、後からタイミングが来たら報告するみたいな感じです。学校のことは全部を話すわけではないのですが、秘密にしているというよりは、自分の苦しいことは母にも話すつもりがないのだと思います。』
=独りで泣く・・・・・・・・=
『自分が本当に苦しいとき、誰かに話したいと思っても、言葉が出なくて話せないです。涙しか出ません。でも、一人で泣いたあとは、少し気持ちが落ち着いて、話したいという気持ちが無くなり、結局打ち明けることはないです。これがいつものパターンです。』
質問3!「しっかりとした自分がある」と言えるだろうか?
『返事が遅くなってスイマセン。難しい質問だったので時間がかかってしまいました。色々と聞いて頂いて有り難うございます。考えているうちに、私には自分がないのではないかと思いました。「しっかりした自分」どころか「自分そのもの」がないかもしれないと思いました。』
=もっと早く不登校になりたかった!=
『私は大学にも入り直して、今になって不登校になりましたが、本当は小学生の時や中学生の時に不登校になっていてもおかしくなかったと思います。何か、もう一つ嫌なことがあったり、自分にもう少し考える力があったりしたら、今と同じ問題でとっくに不登校になっていたと思います。その方がよほど良かったかもしれない』。
=自分で自分をつかむことが出来なかった!=
『いつだって何だって母に相談し、母の言うとおりにやって来て、疑問に感じることもなかったのです。けっきょく私は自分で考えることをしてこなかった。だから、ずっと母に依存して来たんだと気が付きました。愛情はもらってきたと思いますが、自分で自分をつかむことは出来なかった。』
=何故なのか分った!=
『こんな自分だったら誰だって私のことをつまらない人間だと思って当然だと思いました。本当に、小学校時代から二十歳の今まで友達と呼べる人がいないのがなぜなのか分かりました。』
=やりたいことをやりたい!=
『今も、こう思って母から気持ちを離そうとすると頭がぐらぐらします。母を否定的に見ようとすると、猛烈に心細くなり、同時に、やっぱり自分の人生なのだから自分がやりたいことをやりたいという気持ちが溢れます。これは私が経験したことがない感覚です。この気持ちを出発点にして、今度こそ自分に正直に生きて行きたいと思います。有り難うございました。』
読者の皆様!
さてはて、これを読んでどのようにお感じになったでしょうか?
自我に目覚めることが出来なかったUさん本人の性格の問題もありますが、それ以上に、知らず知らずのうちにものすごい支配力で娘の自我をがんじがらめにしてしまったお母さんにも問題がありそうですね。
=「自分が持てない症候群」=
少なくとも言えるのは、「自分を出せない症候群」は、実は「自分を持てない症候群」だとも言えると思います。
親として自問自答してみましょう。苦しいかもしれませんが、頑張ってみましょう。
1.「子どもの気持ち(自我≒エゴ)を引き出そうとしていますか?」
2.「親としての自分の気持ちが優先になっていませんか?」
3.「子どもが悩まないように、苦しまないように、守ってばかりいませんか?」
=子どもが悩み苦しむことは必要?!=
子どもが悩み苦しむことは子どもの成長にとって必要なことに違いないのです。親にとって子どもが苦しむのは身を切られるように辛いですが、その姿に親は歯を食いしばって耐えなければいけないのでしょうね。
以上
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