思春期うつ病を乗り越えたP君の物語、後半です。

=壁を殴って指を骨折=

中学時代からの友人が心配して電話をかけてきてくれたりしたのですが、その時は嬉しく話が出来ても、電話を切ると猛烈に苦しく悲しくなり、壁を何回も殴って指を3カ所も骨折しました。

=「生まれて来てよかった?」=

あの頃のことが良く思い出せないのですが、父が大門さんを家に呼んでくれたのだと思います。いきなりやって来て、「N君、生まれてきて良かった?」と訊(キ)かれたのです。何も答えられなくて、でも泣き声だけがこみ上げてきました。父も泣いていました。大門さんは明るく笑いながら何かしゃべっていましたが、大門さんも泣いていたように見えました。

=ちゃんと感じられるようになった!=

それから、母のこと、父のこと、何より自分の事が良く分かるようになり、考えたことを言葉に出来るようになりました。というより、ちゃんと自分の気持ちを感じられるようになったという方が正しいと思います。

=怒りが軽くなるのが見えるよう!=

母から旅行に行こうと誘われてもきっぱりと断ることが出来るようになり、母に対して自分の軽蔑や憎しみを言葉で投げつけられるようになると、怒りが軽くなるのが目に見えるようでした。

=母を否定することが出来なかった!=

幼かった僕には父の愛情は見えず、母の愛情が欲しかったのだと思います。だから、母に甘えるために母を否定することが出来ませんでした。

=エゴで愚かな愛=

大門さんは「お父さんの君に対する愛情は強くて深い。お母さんの愛情はエゴで愚かだ。けれども、その強さ深さはお父さんと変わらない」と良く言いました。今は母と普通に話をするようになりましたが、今でも話していて母に対する軽蔑の念が湧いて来ることがあります。無理に母を許すことはいけない事だと大門さんは言ってくれるので随分と気が楽になります。母を憎み軽蔑することをもし責められていたら、自分はどうなっていたか分かりません。

=乳離れした自分の証(アカ)し?=

自分では、この軽蔑の念こそ母から乳離れした自分の証しのように感じるのですが、父はこのことを言うとあまり喜びません。母がいなかったら僕も弟もいなかったのだからと言います。

=相反するものが渦巻いている!=

大門さんは、愛も憎しみも、尊敬も侮蔑も同じこころに同時にある。それが渦巻いて揺れ動くのが人の心で、その動きを見つめ感じられることが何より大切だと言います。まだその境地には達しませんが、いま高3で大学受験に取り組めている自分を素直に喜びたいです。

=学校にも感謝!=

去年の4月に高1から高2へ上げてくれた学校にも感謝しています。たぶん第一志望に合格していたら僕のような落ちこぼれは相手にしてもらえなかったと思います。諦めずに目をかけてくれたのだと実感があります。

=良かったか悪かったかなんて、その時には分からない!=

人生いろいろあって、良かったか悪かったかなんて、その時には分からないのだとつくづく思います。来年の大学受験も同じで、一生懸命やるだけやって受かったところに行けば良いんだと割り切って考えられるようになりました。苦しかったこの経験を活かせるように生きて行きたいと思っています。

以上

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  • カテゴリー: 未分類 |
  • 投稿日: 2020年06月9日 |

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