劣等感と対人恐怖に苦しんだY君のインタビューから(後半)

さて、Y君のインタビューの後半です。

Q3.いつ頃がいちばん辛かったですか?

=家族から責められたことは一度もなかった!=

こうして不登校と対人恐怖を乗り越えて思うのは、自分は本当によい家族に恵まれているということです。僕のことで家族のみんなが苦しんだと思うのですが、このことで家族から責められたことは一度もありませんでした。それだけに申し訳なくて辛さはありましたが、どんなに助かったか分かりません。

=赤ん坊に戻って胸に飛び込め??=

それでも両親の勧めで、最初は高校のカウンセラーさんのカウンセリングを受けたのですが、赤ん坊に戻って胸に飛び込めと言われて、困惑しました。今では笑える話ですが、どうしてほとんど知らない女性の胸に飛び込めるのか、そんなことを言われなければならない自分が本当に情けなくなりました。それに30分のカウンセリングで、聞かれたことに何か答を出さなければなりませんでした。沈黙が許されない場だったので、たったの30分が恐ろしいほど長く感じました。

=外出すればそこは戦場!=

情けないと言えば、やむを得ず床屋さんとかに行くときでも、遠回りの裏道を選んで顔を伏せながら、誰か知っている人が通らないかびくびくしながら歩いたことです。実際に知っている顔が遠くに見えると、心臓を縮み上がらせながら物陰に隠れました。外出は本当に戦場に行くようなものでした。

Q4.輝け元気!のカウンセリングで良かったことは?

=両親がそれぞれ勧めてくれた輝け元気!=

輝け元気!は、高校のカウンセリングがダメだったので、両親が探してくれ、二人とも輝け元気!をそれぞれに探し当てて、勧めてくれたのです。大門さんに会う前に、サイトを読んでいたせいなのか、当時としては不思議ですけど最初から不安はありませんでした。

=興味が湧いた「性格」の話=

最初の頃ですが、人が生まれながらに持ってくる性格の話などに興味が湧いてきて、2ヶ月ほどしてもうだいぶ楽になってきました。怖くて外出できないときも何回かあったし、カウンセリングの場から逃げたいこともありましたけど、ちゃんと前に進んでいるという感じがして、通い続けることで達成感というか、達成できるだろうという自信が湧いてきました。

=呼吸法とイメージワーク=

大門さんから、「体がこりまくってカチカチだね!まずは体の力を抜こう」と言われ、呼吸法をやりました。いつも歯を食いしばっていたせいで肩も背中も本当にカチカチでした。最初は、深く息をすることさえ出来なかったのです。力を抜いて楽に息を吸い、ゆっくりと息を吐いていく時に、その吐く息の中に自分の子供時代をイメージすることが出来るまでに、3か月くらいかかりました。自分を見つめることがどういうことなのか、試行錯誤で、良く分かりませんでした。

=真っ黒なタール状のもの=

8ヶ月くらいの時、突然イメージワークが深まりました。自分を見つめることが出来るようになったのです。本音をねじ曲げ自分に対して嘘をついてきたものが、積もり積もって黒いタール状のものになって、こころの中にべっとりと張り付いているのが見えるようになりました。

=次に現れたのは「壁」=

このタール状のものの正体が見えると、次に自分の目の前を塞いでいる壁が見えました。この壁は、自分を相手から見えにくくし、自分からも相手を見えにくくする役割をしていました。タール状のものも壁も、それを乗り越えていくというのではなく、しっかりと見つめることで、自然と消えていきました。

=思ってもみなかったパワー=

「性格」のところでは、本来の自分は、「嵐で根ごと引き抜かれた大木を楽々と運んでいく大河」のように悠々としたパワーがあるのだと言うことを言われました。子供時代の自分の感じ方や考え方がズバリ当たっていたので説得力がありました。時間はかかりましたが、自分の中にあるパワーを確認することができたし、そのパワーを引き出して現実に向き合っていくことが出来ると思えるようになりました。

Q5.これからの計画は?

来年2月の大学受験に向けて頑張るのみです。

今は週に6日間予備校に通い、朝から晩まで勉強しています。学校に対する恐れも人に対する恐れも消し飛びました。自分も見えているし、自分が進みたい道も見えています。失敗することもあるでしょうけど、夢があって、諦めずにその道に向けて進んでいけるという自信があります。自分の努力がいつか人のためになるなら、ちっとも苦になんかなりません。頑張ります。

以上

◇NPO輝け元気!の無料相談

◇所在地:横浜市青葉区美しが丘西

◇最寄り駅:東急田園都市線(横浜市営地下鉄)あざみ野駅または小田急線新百合ヶ丘駅

◇遠方の方には、オンライン相談(電話相談)もあります。

◇お申し込み:daimon@kagayake.org

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