ああ、熱血先生!!前半です。

今回は「熱血」がテーマです。もちろん「熱血先生」の事です。

=不登校は熱血が苦手?!=

不登校の子ども達は多くの場合、「熱血」が苦手です。場合によっては、「担任が熱血だから」と言うのが、不登校の原因だったりするほどです。なんで熱血が嫌なのか理由を聞くと、「うざい」「暑苦しい」「迫って来る」「熱血はひいきする」「人の気持ちが分からない」「自分(先生)の気持ちを押し付ける」などなど、散々な答えが返ってきますが、こうして言葉に出来るのは中学生以上の子たちで、小学生だと本当に憂鬱(ユウウツ)そうに、顔をしかめて、「分からない。だけど、イヤ」と言うばかりです。

=距離を取りたいのに取らせてくれない!=

不登校の子に「遊離型」が多いという事はお話ししました。遊離型は人との付き合いが消極的で、相手と自分の間に一線を引くタイプです。この遊離型の中にも三つのタイプがありましたね。

「人がうっとうしい思考回路型」

「こころの中で遊ぶ平和主義者」

「自分らしさにこだわる個性派」

それぞれ性格は大きく異なるのですが、共通するのは、基本的に「人と自分の間に距離を取って付き合おうとする」という事です。どのタイプも、とくに、付き合い始めは、とても用心深いと言えます。

=情熱、共感、感涙(カンルイ)の人「熱血」=

いっぽう、「熱血」先生には、いくつかの特徴がありますが、大きくまとめるとこの三つでだいたいのことが言い尽くせるかもしれません。

・人(子ども)を動かすのは、自分の「情熱」だと信じている

・人間同士(先生と生徒)、必ずや「共感」し合えると信じている

・卒業式など子ども(生徒)が成長した姿を見るとき、「感涙(カンルイ)」にむせび泣く

熱血先生は、不登校の子が自分のクラスに出現すると心を痛めます。「自分の情熱が足りないのかもしれない、だから自分がさらに面倒を見て上げなくてはいけない、人間同士、心が通じ合わないはずがない、心が通い合えばあの子は必ず学校へ、つまり自分の下へ帰って来る、どういう事情があるのかは分からないけれど、担任としての自分の気持ちだけは伝えたい」と、だいたいこんな気持ちになるようです。

=熱血先生の注文は?=

不登校児がたまに保健室に顔を出したと聞くと、熱血は、「昼休み(放課後)まで待っていて欲しい」などとじっくりと話をしたがる、職員室に呼びたがる、教室に行こうと励ます、「来週は週に二日来い」など次の約束をしたがる、等々のことになりがちです。

=笑えない「ちぐはぐ」ぶり=

また、熱血先生は、不登校の子を手放したがりません。次の学年でも、引き続き、担任として受け持ちたいという事になりがちです。「自分とはウマが合わないのかもしれない、だから、違う先生が担任になれば良い結果になるかもしれない」とは考えない人が多いようです。

しかし、こう言う熱血先生の熱い気持ちを、子どもの方は「有難迷惑」と思っているのです。下手をすると「アリガタ」が取れて、ただの「迷惑」だと思っているのです。ですから、たいていは、「ああ、イヤだ、疲れる。だから、学校に来たくないんだよ」となってしまいます。こうして、へとへとに疲れてようやく解放されて家にたどり着き、「もう学校は嫌だ!」と心に誓ったりしているのです。

=熱血先生の注文パートⅡ=

ところが、先生の方は、「学校に来たんだから今がチャンス」とばかりに、さらに、不登校の家に寄ってプリントや宿題/課題を届ける、その際に本人に会いたがる、何かというと家に電話して「ちょっとだけ電話口に出してくれませんか」とお母さんに頼み込む、等々のことになる事が少なくありません。

=悪影響の大きさ=

こうなると、不登校の直接の原因ではないとしても、少なくとも、その子の学校復帰を妨げているのは熱血先生だと言っても過言ではない、という場合があります。熱血本人が「これじゃちょっと冷たすぎるよな」と思っているくらいの対応が、子どもを楽にさせるという事が少なくありません。たとえば、静かな笑顔で迎える、登校できたことを控えめに褒める、「会えて嬉しかった」と軽く気持ちを伝えて家に帰す、等の対応を繰り返していけば、子どもの方から少しずつ少しずつ先生との距離感を縮めてくる場合もあるのです。熱血の思慮に欠ける対応は逆に、子供をますます学校から遠ざけると考えると、その悪影響の大きさを軽く見る気にはなれません。

前半はここで終わります。来週をお楽しみに!

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  • カテゴリー: 不登校 |
  • 投稿日: 2020年02月29日 |

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