あったことを無かったことにしてしまう心理的「抑圧」。しかし、訳の分からない苦しさが押し寄せる!
心理的「抑圧」が解けるまで、苦しさが続いたD君。救いになった小5時代の担任の先生からの返信の手紙。抑圧が解き放たれる経過が良く分かる体験談です。
Q1.いつから不登校になりましたか?期間は?
小5の2学期から、小6は全部行かなかった。
中学に入って1年の2学期までは行っていたけど、3学期から行けなくなった。結局、中2はほとんど行かなかった。
今、中3で今年の4月からは行ってる。
だから、小学校の時は1年と1学期、中学でも1年と1学期、行かなかったことになるんだよね。
Q2.不登校になった原因は?
それがここ(輝け元気!)に来るまでは全然分からなかった。
小学校の時は先生がウザイからと思ってた。学校は行かなかったけど、サッカーのクラブチームに入っていて、結構忙しかったし、親もあんまりうるさく言わなかったから、悩んでなかったんだ。
中学に入って、部活もサッカーに入ったし、最初のうちは良かったんだけど、だんだん苦しくなってきて休み始めた。この時もなんで行けないのか分からなかったんだけど、学校休むとサッカーも出来ないし、だから結構頑張ったんだけど、とうとう行けなくなった。
朝、トイレにはいるとどうしても出られなくなった。友達が朝迎えに来てくれるから待たせられないし、無理して行ってしまえばどうって事なくやれるんだけど、そのうち学校の授業中にとても嫌な気分になって、ある先生がとても嫌いになった。その先生の授業があるときは朝から腹が痛くてどうしてもダメだった。
登校の時に迎えに寄ってくれる友達に悪いから、寄らないようにしてもらった。そうしたら、その途端に全然行けなくなったんだ。
Q3. 小5の時のことが原因だった???
学校行きたかったし、サッカーもやりたかったから、マジ悩んだけどどうにもならなかった。
ここで大門さんといろんな事を話しているうちに小5の時のことを思い出したんだ。
小5で担任が女の先生に変わったんだけど、その先生にぶたれたんだ、立たされて・・・。今思うと騒いでた俺が悪かったんだし、そんなにきつくぶたれたわけでもない。やさしく手首のところをぶたれただけだったんだけど、先生が変わったことが面白くなかったし、素直になれなかったんだ。悔しくて、体育の時、バレーボールを投げつけた。当たると思わなかったのに、もろに顔面に当たっちゃって、メガネが飛んだ。怖くなって保健室に逃げたんだ。
自分では先生がウザイからと思ってたけど、こころの中では怖かったし罪の意識もあったってことが分かった。これが小学校の時、行けなくなった理由だったんだ、自分では分からなかったけど。
Q4. 中学の時に嫌いになった先生は小5の時の担任と似ていた???
それから、この小5の時の担任の先生と中学で嫌いになった先生が似てるってことが分かった。外見じゃなくて、俺が感じる嫌な感じがそっくりなんだ。胸にこみ上げてきて嫌なウザイ気持ちが同じだって事に気が付いた。その気持ちがやっぱ恐さと罪の意識で、その中学の先生を見ていると、みんなの前で恥をかかせられるという恐さと、そんなことをされる前に殴ってやろうかとか、どうしても考えてしまうんだ。
それで小学校のその先生に手紙を書くことにしたんだ。大門さんに「許してください」とはっきり書いた方がいいんじゃないの?と言われて迷ったけど、はっきり詫びを入れるつもりでそう書いて出した。
そうしたら今年の春休みに返事が来て本当に良かった。なかなか返事が来なかったので、やっぱ許されないか~とか、もう返事なんか来なくていいやとか、絶対に返事は来ると信じたり、正直大変だった。
でも返事が来て、自分でもこころの中の嫌な感じが消えて無くなるのが分かったよ。
Q5.いつ頃がいちばん辛かった?
中学1年の3学期、行こうとしても行けないときが辛かった。親はメチャ言ってくるし、自分ではどうしても行けないし、その説明も出来なかったからね。
それから中2の間中とても辛かった。落ち込んで塾にも行けなくなったしね。夜もよく寝られなくなって、夜中にどうしようもなくなってお父さんを起こそうとして怒られたこともあった・・・。
Q6. 休んでいるときはビクビクしていた???
あ~あ、本当に嫌だった。自分で自分のことがどうしようもなかったのが辛かった。
でも一人だけ仲のいい友達がいて、時々釣りに行ったりJリーグの観戦に行ったり付き合ってくれたのが嬉しかった。俺が学校に行けないことなんかも全然聞かないでくれたしね。
今は学校行けてるしクラブもやっていて本当にのびのびやっているけど、休んでいるときはいつもびくびくしていたよ。
Q7.輝け元気!のカウンセリングで良かったことは?
良かったよ。自分のことが良く分かったと思う。分かっているつもりで、分かってないのが自分の事だということが分かった。
Q8.これからの計画は?
5月からサッカー部に復帰して、こないだは試合に出たんだ。ゴールを決めたよ。
7月の試合まで頑張る。
あとはマジで受験勉強するよ。
高校に行くし大学にも行きたい。はっきり自分の夢を持っているからね。
北極海にいるクリオネとか海の生き物に興味があって、海洋生物学の研究者になりたいと思っている。大門さんが言うように「固く固く信じることが大切だ」と思う。なれると信じれば夢は必ず実現すると思っているよ。
以上
- カテゴリー: インタビューと手記, 不登校, 抑圧(心理的防衛機制) |
- 投稿日: 2019年04月1日 |
幼い頃からの親子関係から学んだ解釈のしかたなども その後の人間関係に影響があると考えています。
特に母親との関係で
ありのままで 愛されているという安心感があるか
気に入られていないと見捨てられるかもしれない不安感
例えばそれが誤解だったとしてもです。
小野 一代さま、
コメント、有り難う御座いました。
私も全く同感です。母親との人間関係は生涯で出会うすべての人との人間関係に影響を及ぼすと言ってもいいかも知れませんね。
ただ、それが誤解に基づいているとしたら悲しいですね。親が存命の間にその誤解を解きたいですね。