ああ、熱血先生!!後半です。

さて後半ですが、熱血先生の「性格タイプ」を見ていきましょう。

=熱血先生の性格タイプ=

こうした熱血先生の性格タイプを考えると、

・自己犠牲を厭(イト)わない献身的な人

・自己主張する仕切りたがり屋

と言ったところが浮かんできます。

そうです、「不登校の親に多い性格タイプ」で挙げた二つと同じなのです。

=共感は相手を理解していないと成り立たない=

熱血先生には、情熱だけで動かそうとすると、「うざい」「暑苦しい」と引いてしまう子もいるのだという現実がなかなか見えません。また、共感は、相手を理解していないと成り立たないということが分かりません。子どもを理解しないで共感を押し付ければ、それはちっとも「共感」にはならずに、「人の気持ちが分からない先生」、「自分(先生)の気持ちを押し付ける先生」という事になるだけです。また、卒業式でむせび泣くのも、子どもの成長した姿と言うよりも「自分がここまで育て上げた」という誇らしい気持ちで感極まってしまうという事なのかもしれません。実際には、年月が子どもを成長させたというのがいちばん当を得たところなのかもしれません。そういう謙虚さがもしあれば、人前で涙を流すのはどうなのかという自制心が働くかもしれません。子や親と一緒に一つの節目を喜ぼう、という事になるかもしれません。そうであれば、笑顔はあっても、涙はないかもしれません。

=親の評判は良い?!=

「熱心な先生」という事で、親には概して評判が良いのですが、そして、現実にこういう先生が大好きな子どもも少なくないのですが、不登校児には致命的に「苦手な先生」という事になってしまうことが少なくありません。

=子どもは公平な見方をしている=

先月末で、めでたく3年間のカウンセリングを終了した高校生1年生に、「中学時代、いったい何が原因で不登校になったんだろうね?」と改めて質問してみました。

彼は要旨として次のように語っていました。

「もう三年にもなるので、今となってはあの時、なんであんなに疲れていたのか良く分からない。友達関係にも疲れていたし、親もうざかったし、とにかく一人になりたかった。これと言った原因は無かったんだと思う。でも、中学2年に上がって、新任の部活顧問が熱血で、廊下の先にその熱血の姿が見えると、人の教室に入ってやり過ごした。すれ違うのが嫌だったんだ。どうしてあんなに嫌だったんだろう。部活を休み始めて、ひと月もしないうちに不登校になった。でも、あの熱血が嫌だったから、という、それだけでもないような気がしている。たぶん、それは自分が抱えた問題の一部だったという事だと思う。熱血は好きじゃないけど、今だったら平気だと思うよ。今は友達といると楽しいしね。でもなあ、高校がなぜ楽かというと、やっぱり熱血と言うほど熱血の先生はいなかったからかなあ。それで楽にはなったんだよね、確かに」

こう語るのは、公立のチャレンジ校に通いながら人への信頼を取り戻した「人がうっとうしい思考回路型」性格タイプの高1男子です。

=軽く尋ねてみたい=

こういう場合、親として、どういう風に対応したらいいでしょうか?まさか、担任に向かって、「先生は熱血ですよね?うちの子は熱血先生が苦手らしくて、それが不登校の原因の一部かもしれません」とは、なかなか言いにくいですよね。

ひょっとして!?と思い当たる節があったら、特に小中学生の場合には、「あなた、ひょっとして、あの熱血先生が嫌なんじゃないの?」と確かめてみたいですね。

私のところでは、私がこの質問をした途端に、「大門さん、どうして分かった?」と目を丸くして答えた小学生がいましたよ。これ、本当の話です(笑)

=親の対応は?=

不登校の原因が、「担任が熱血のため」らしい、あるいは少なくとも原因の一部らしい、と思われる場合は、無理してプッシュせずに、休ませて、学年の変わり目に、担任を変えてもらうように、学年主任や、教頭、校長に話をするというのが良い対処法かもしれません。不登校まで行ってしまう子は、たいてい疲れ切っているのです。そして、人間付き合いをどうしたらいいか分からなくなって、先生にも、生徒同士でも、そして親にも何をどう言ったらいいものか分からないのです。

=親も、自分の気持ちを押し付けないように注意したい!!=

熱血に限らず、親も、自分の気持ちを子どもに押し付けることがないようにしたいものですね。よ~く話を聞けば、子どもの気持ちって、たいがいは納得が出来るものですよ。納得してから静かに話せば、子どももたいていは納得してくれるものです。

=熱血の中にも優れた先生は居る!=

今日は、「穏やかに書けたらいいなあ」と思いながら書き始めたのですが、随分と手厳しい投稿になってしまったかも知れません。気分を害された方がいらっしゃれば、お詫び致します。始末に負えない熱血先生の話を聞く機会が多い私ですが、他方では、熱血の中にも優れた先生が居るのも事実です。この事も忘れないように、子どもと先生の繋がりを見て行けるといいですね。

以上

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