遊離型の最後は、The Dramatic 「自分らしさにこだわる個性派」の登場、後半です!!
「私は私だ。誰も私のことを理解しない。私は人と違って特別だ!」、痛みと共にこう思う「自分らしさにこだわり抜く個性派」の後半をお届けします。
=過去を恨み呪う!=
このタイプも「人がうっとうしい思考回路型」と同じように、自分が「いま、ここ」に居ることに抵抗します。しかし抵抗の仕方がまるで違います。「人がうっとうしい思考回路型」が「将来」を恐れるあまり「いま、ここ」を拒絶するのに対して、このタイプは、自分の「いま、ここ」がうまくいかないのはすべて「過去」のせいだと信じるのです。「過去がダメだった、だから、将来も絶望だ!」という訳です。
=何年も前のことを嘆き悲しむ=
高校三年生の子が、「自分が不登校になったのは1年の時の担任の先生が辞めてしまったからだ。担任から外れたのではなく、学校をやめてしまったんだよ。あんなにいい先生はいなかったのに」と訴えたことがあります。私は、高1の時の事だと思って聞いていたのですが、それは中学1年の時の話だということが分かって驚きました。その人は、五年も前に起こった出来事を悲しみ、その出来事をいまだに恨んでいたのです。
=恨みを手放したくない!=
このタイプは、このように自分を傷つけた出来事や人に対する怒り、悲しみ、憎しみなど否定的な感情を手放すのが苦手です。まるで、いつまでもその痛みの中に浸っていたいかのようです。そして、自分の周りにいて人生を楽々と生きているかに見える友人知人を妬(ネタ)みます。実は、その妬まれている人たちの方こそ、このタイプの人を「個性的でとても才能に恵まれている」と羨んでいる場合が少なくないのです。
=社会とうまく折り合っていけない!=
実際このタイプは「自分には社会とうまく折り合っていく才能が欠けている」という思いが高じるあまり、自分が豊かに持っている他の多くの才能に気が付かないことが少なくありません。自分が持っている「宝」に気が付いて欲しいのですが、それを素直に認めて喜ぶことがほとんどできないのです。
=この子をどうやって幸せに??=
このタイプのお子さんをお持ちのお母さんは実に苦労が多いです。もちろんそのお母さんの性格タイプにも依るのですが、「いったい、この子をどうやって幸せにしたらいいのだろう」と途方に暮れてしまうというお話を聞くことが少なくありません。
=様々な力を見出してあげる力が必要=
親としては、他の兄弟姉妹と同様に公平な愛情を注ぐ他はないのですが、その子が持っている才能や資質を繰り返し見出してあげることが必要です。そして、自分を見つめようとする力、自分に正直であろうとする力、誠実でありたいという思いの力、決断する意志の力、などなど自らがすでに持っている「宝」に気が付けるようにもっていきたいですね。
=悪循環の輪に気が付かせたい=
ただ、このタイプが不登校になると対応は非常に難しいです。私のところでは、自分の性格を手掛かりに、自分がなぜ悪循環の輪にはまってしまうのか考えて頂くように、そして自分のなかにどのようなスキーマー(思い込み)が隠れているのか気付けるようにカウンセリングを進めています。
=このタイプの子の親にはレベルが高い人が多い?!=
カウンセラーにとって難しい子である以上に、親にとっても非常に難しいタイプであることは間違いありませんが、どういう訳かこのタイプの子の母親には成長レベルが高い人が多いように思います。我が子が小さいころから、その強烈な個性に振り回されることで、親として鍛えられるのかもしれません。
=乗り越えると内側から輝く!=
しかし、このタイプはいったん過去の恨みつらみを手放し、悲劇のヒロイン(ヒーロー)でいることを止めようと決心すると、内側から輝きます。自分の存在意義に気が付き、本当の自分らしさと自分の持っている才能に目覚めるからです。こうなるとはつらつと立ち上がり、努力し、いつも自己刷新しながら前進していきます。
=これほどまでにひたむきに生きられるだろうか?=
私はこの性格タイプの人に向き合う時、その人の正直さ、ひたむきさ、切実さとその人が抱えている大きな胸の痛みに打たれます。自分はこれほどまでに正直になれるだろうか、これほどまでにひたむきに生きられるだろうか、そしてこれほどまでに切実に痛みに苛まれることがあるのだろうかと自らに問いかけずにはいられません。考えるにつけ、自分はあまりにも不正直で、不真面目で、あまりにもいい加減ではないかと感じるのです。
=子どもはその事によって救われている?!=
不思議なのは、この性格タイプは不登校の子本人に多く、不登校児の親には少ないように感じる事です。じっさい実に多くの親御さんにお目にかかって来ましたが、このタイプの親はむしろ珍しいと言ってもいいくらいです。ということは、この性格タイプは親になった時、その子どもに自らの生きざまをしっかりと見せているのではないかと思うのです。そして、子どもの心にある痛みや苦しみを自らの痛み、自らの苦しみとして、しっかりと握りしめているのではないか、そして、子どもはその事によって救われているのではないかと思います。
=この性格タイプが見つめ続けるもの!=
繰り返しになりますが、親がまず生き生きと感じること、つまり、喜べるように生き生きとしている事、共感できるように張りつめている事、感動できるように目を見張っていること、痛いものは痛いと感じられるように敏感でいる事が大切です。
この意味で、今回の「自分らしさにこだわり抜く個性派」のように、親も「真に自分自身を生きる感覚」を甦らせることが、とても大切です。このタイプの子供時代はお世辞にも「生き易い」とは言えませんが、このタイプが見つめ続けるものを、親として見失いたくないものですね。
そうです、このタイプは私たち親が見失いがちなものを思い出させてくれる存在なのかも知れません。 以上
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- 投稿日: 2019年12月24日 |