私のことかも？と思ったらチェックリストをやってみましょう。ＡＣシリーズの第1回
まずは、アダルトチルドレン（AC）とは何か？
＝間違った使われ方をしている言葉＝
日本では、どうしてなのか、ＡＣというと
「子どもっぽい性格のまま成人してしまった人」
という間違った通俗解釈が出来上がってしまいました。そしてこれもどういう訳なのか、ややセンセーショナルとも言えるこの間違った用法が、日常会話の中やマスメディアによって、広く定着してしまった感があります。
＝アル中の親の下で育てられた大人＝
もともとはクラウディア・ブラックというアメリカ人の女性カウンセラーが、「アルコール依存症（アル中）の親の下で育ち成人した人達」を指して言った言葉、
「Adult Children of Alcoholics」です。
ですから、もともとは「アルコール依存症（アル中）の親に育てられて肉体的かつ精神的な虐待を長期にわたって受け続けて成長した大人」を指しているのです。
＝トラウマとして内面で生きている子ども＝
このＡＣの人達に共通するのは、大人になった今もこころの中には、
「決して安心することが出来なかった子ども」
「生きるために自分を偽らざるを得なかった子ども」
「何か（例えば母親や弟妹）を守るために自分の一部を殺さなくてはならなかった子ども」
「親の愛情を感じることがなかった子ども」
「親を愛することが出来なかった子ども」
がトラウマとして生きていて、意識的にも無意識的にもその人を苦しめているのです。
＝機能不全家庭との関係＝
最近の研究では、親がアルコール依存症という場合だけでなく、いわゆる「機能不全家庭」に育った人を含めるようになりました。つまり子供が本来必要としている「衣食住」や親と兄弟に対する「安心感」や「愛情」という健全に発達するために不可欠な要素を欠いてしまっている家庭で育ち、成人してもその影響で、人との間に共感や愛情を通わせることが難しく、生きることに喜びを見いだすことが出来ない場合に、
「ああ、あなたはアダルトチルドレンですね」
という言い方をするのが正しい使い方です。
＝人間関係で強い緊張を強いられる＝
人を信頼することや本当の自分を人に正直に表現することに強い恐怖心があるため、日常生活でも対人関係がうまく行かず、いつも強い緊張を強いられます。このため人間関係に疲れやすく、何をやるにしても充実感や達成感に乏しく、ほとんど慢性的な虚無感に苦しむ方が少なくありません。
＝日本で広まったのはルポルタージュ「仮面の家」＝
日本では1993年に「仮面の家」（横川和夫著）が新聞の連載という形で発表されて、大きな反響を呼びました。もう四半世紀が経つのですね。連載終了後も著者の下には手紙や電話がしばらく途切れることがなかったという話ですから、日本にも人知れずＡＣの苦しみと共に生き続けている方が数多くいらっしゃるのだと思われます。
＝チェックリスト＝
ここまで読んで、「私のことかも知れない」と感じた方は、下記のチェックリストをやってみて下さい。このチェックリストは、男性女性を問わず、また、子どものあるなしを問わず、使って頂けます。
回答方法
各問いの右端に、下記にしたがって点数を記入してください。
・全くその通りだ ５点
・だいたいその通りだ ４点
・時々そうだ ３点
・めったにそういうことはない ２点
・全くそういう事はない １点
※「まったくそういう事はない」場合も、１点が付きます。0点ではありませんのでご注意ください。
チェックリスト
1. 自分に自信がない。自分はダメな人間だと思う。
2. 自分を厳しく責めることが多い。必要以上に責めているのかもしれない。
3. 私は楽しむ事が下手だと思う。
4. 私は人と親しくなる事が苦手だ。
5. 自分が何を感じているのか分からない事が多い。
6. ものごとは白黒がはっきりしていないと不安だ。
7. ものごとを最後までやり遂げることが難しい。
8. いつも他人の目が気になる。
9. 考えてみると、私は相手に対して過剰（カジョウ）に忠実だと思う。
10. 何が正常で、何が異常なのか、それが分からなくていつも不安だ。
11. 自分は人とは違っていると思うことが、孤独を感じる理由だと思う。
12. 常に人からの肯定を求めているくせに、肯定をもらえても素直に受入れる事ができない。
13. 私は人に助けを求める事が下手だ。拒絶されると思っているからかもしれない。
14 .自分でコントロールできない状況が起こるかもしれないと思うだけでパニックを起こしそうになる。
15. 人が信じられないのに、人から認められたいという気持ちがとても強い。
16. 必要がないのに嘘をつくことがよくある。
17. 相手に受入れてもらいたいのに、実際に受入れてもらえると不安になる。
18. 親と同年代の相手の前だと特に緊張して不安定になる。
19. 私は自分のことが嫌いだ。
20. 自分はまじめすぎると思うし、人からもそう言われる。
21. 形やルールから外れることがなかなかできない。
22. いつも責任をとりすぎるか、または責任をとらなさ過ぎるかのどちらかだ。
23. 価値のないものだと分かっているのに、捨てられずこだわり続ける。
24. いい加減な他人の行動が許せない。思い知らせてやりたいとときどき思う。
25. ふと気が付くと何かに追い立てられているような焦りがある。
26. 大切にしているものでも衝動的に壊す事がある。
27. 権威のある人の前に出ると過剰（カジョウ）に萎縮する。
28. 自分には生きている価値がないと思う。
29. 自分のやっていること以外に、もっと他にやるべき事があると感じている。
30. 常に予想できない何かが起こるのではないかと不安である。
31. 愛情には憎しみのようなものが含まれていると思う。
32. なぜか必要以上に自分を犠牲にして人を助けようとする。
33. 他人のやっていることに付いて「自分も同じようにしなければ」と思うが、何故なのかは分からない。
34. ルールの明確でないことをやるのは不安だ。
35 子どもと言うのは、子どもという役を演じているだけだと思う。
36. 来世なんてうんざりだ。この世限りでお終（しま）いにして欲しい。
37. 話をするときは誤解されないように必要以上に気を使う。
38. 自分は完璧主義者かもしれない。完璧に出来ないことは、やり始める前に諦（アキラ）める。
39. 親は子供の自分が嫌いだったに違いない。
40 .何が正しいことなのかを推測する。直感では分からない。
採点方法
さて、４０問すべてに１点から５点が付きましたら集計してください。200点満点です。
さてはて、何点になったでしょうか？
スコアー（点数）の目安
180点以上 あなたは典型的なアダルトチルドレンかも知れません。
141点以上179点未満 あなたはアダルトチルドレンの要素をお持ちかもしれません。
140点未満 あなたは恐らくアダルトチルドレンではないでしょう。
スコアーの考え方
このチェックリストの目的は、アダルトチルドレン(AC)であるか否かを判定するというよりも、自分自身について考えてみる一つのチャンスだということでしょう。人は誰しも知らず知らず自分を縛り上げて、何故（ナゼ）とも知らず辛く苦しい思いをしているものです。スコアーが出たらそれはそれとして、各問いに対して、「そこからどのように自由になるか」、それを考えて頂きたいと思います。
さて、今回は長くなりましたが、ここで第一回を終了します。次回は、「子を持つ親のためのACチェックリスト」を扱って行きます。
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- カテゴリー: 未分類 |
- 投稿日: 2019年07月30日 |
