不登校児は「学力的に劣る、つまり頭が悪い」という大嘘!今回はこれを取っかかりにして、少し大きい視野で書いてみます。


=二つに分けて考える必要がある「頭の良さ」=

世間一般で「賢い=頭が良い」と言うと、「学力的に優れていて学業の成績が良い」と言う意味での頭の良さを指しているように思います。ところが、「賢い=頭が良い」と言うことには別の側面があって、それは、「人の気持ちや世の中の事を良く理解して、この世界と上手く折り合っていく力」という風に言えると思います。

=「学力」と「適応力」=

同じ「賢い=頭が良い」と言っても、「勉強を理解し記憶する学力」と、「この世の中を理解し生き抜いていく適応力」との二つに分けて考える必要があるようですね。

=「学力」ではむしろ優れている不登校児=

不登校というと頭の良い子、上記の二つの区分に従って言えば『学力』に優れている子が多いのに驚きます。例外はもちろんあります。虐められて、「見ざる聞かざる言わざる」を3年通してしまった中学生なんてことになると、やはり学力的には大きなハンデになってしまいます。しかし、輝け元気!に来る子供の大半は学力的な頭脳には優れていて、現実に大学では国公立や有名私大に進む子が少なくありません。

=東大生が解けなかった問題を15分で解いた中2=

「ニュートン算」と言うのがあって、文字通りアイザックニュートンが作った問題を、「数学のゼミで誰も解けなかった」と東大生が持ってきた事があります。私はねじり鉢巻きで何とか一時間ちょっとで解きました。不肖うちの息子は30分で解きました。ところがまだ中学生だった男の子はなんと15分足らずで解いたのです。

=不登校でも努力すれば必ず報われる「学力」=

中高一貫校に進んで不登校になると言う例が今も昔も多いので、学力的には恵まれている子が多いからと解釈していたのですが、普通に公立中に進み、あるいは公立高校に進んで不登校になった、やむを得ず高認(高校卒業認定試験)を取得して大学受験したと言う子の場合にも、私のところではそれなりの大学に進む子が多いです。これは学力的な意味では、不登校児は「頭が良い」つまり「学力」的な頭脳としては不登校でない子達と比べて遜色がない、いえ、むしろ恵まれていることの証左と言えるでしょう。

=もう人間関係にクタクタ?!=

従って、不登校児にとっての問題は、いかにして「この世の中を理解し生き抜いていく適応力」を身につけるかと言うことになります。これは、このブログで繰り返し書いてきたことですが、不登校になる原因で一番多いのは、「世の中」つまり、友人関係や先生との関係など人間関係について不適応を起こしてしまうということです。残念ながら親子関係を含む家庭内の人間関係に適応できないという場合も少なくありません。要するに、特段のことがなくても人間関係にクタクタになってしまう子が少なくないのです。

=真面目で懸命な親ほど「?」に苦しむ=

なぜ不適応を起こすかというと、その原因はさまざま絡み合っているのですが、大元の問題は本人の性格です。ですから、三人兄弟(姉妹)の子がいて、「誰も同じようにかわいい。だから、同じように公平に育ててきた」と言っても、その三人の子どものうち誰か一人が不登校になると言うことは得てして起こり得ることなのです。もちろん、「公平に育てて来た」事を私は疑いません。その通りです。それなのに、「どうしてあの子だけが不登校になってしまったのだろう?」と親は疑問に思うことでしょう。家庭でも公平に育て、学校でも三人ともにおよそ似たような事があって育ってきたのに、「なぜ、この子だけが不登校なんて事になってしまったのだろう?」。真面目で懸命な親ほど「?」であることに苦しむのではないでしょうか。

=「8050問題」=

昔、約50年前までは、不登校という現象がほとんど見られなかったのに、今では何十万という小中学生が不登校になり、高校生まで入れれば100万人を超える子達が不登校です。その上、去年の統計ですが、15歳から39歳までの「引きこもり」の方が全国で、540,000人、40歳から64歳までの方では、613,000人を数えます。後者の場合では、80歳代の親が50歳代の子を養うので「8050問題」と言われています。なんと、引きこもり問題でも高齢化が進んでいるのです。不登校には「引きこもり予備軍」という側面がありますから、これは本当に深刻な問題です。

前半はここまで。後半をお楽しみに!

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