不登校になりやすい性格がある?第3回「心の中で遊ぶ平和主義者」(後半)

前半からの続きです。

=誰かと対決したり自己主張したりすることは恐ろしいこと?!=

対人関係でつまずくと、人との関わりから遠ざかります。人に対してよそよそしくなり軽薄で冷たくなることで、繋がりから発生するストレスを出来るだけ感じないように、自らを守ろうとするのです。つまり、バランスが崩れると自分自身を平和に保つために、自分の中のあらゆるものを鈍く不活発にし、「見ざる、聞かざる、言わざる」状態になるのです。こうなると、今まで見えなかった強情さ、つまり干渉されることをかたくなに拒否する頑固さが顔を出します。それどころか、悪くすると、カタツムリのように「感じません、考えません」というマヒ状態になることさえあります。このタイプにとって誰かと対決したり、自己主張したりしなければいけない事態というのは恐ろしいことなのです。つまり、自分の外部に自己主張できることを大切なこととは見なしていないのです。

=「真に自分自身を生きる感覚」を見失う!=

このタイプもいったん不登校になると元気を取り戻すのは容易ではありません。逃げて逃げて逃げまくりながら、それでもたまり続けたストレスがものすごい重みとなって、他ならぬそのストレスのはけ口を塞いでしまったかのようです。ちょうど湧き水で出来た湖が、一定の水量を超えると、自らの重みで湧水しなくなるのと似ています。言葉を代えるとこのタイプは「真に自分自身を生きる感覚」を見失いやすいのです。この「真に自分自身を生きる感覚」というのは、「自分らしさ(アイデンティティ)」を見つめるということと切り離すことが出来ません。

=限界を超えて譲歩してしまった時にやってくるもの=

例えば、前回扱った「自分らしさにこだわり抜く個性派」は、自分らしさを見つめて痛みや苦しみから目を背けない特徴がありました。これは言い換えれば「真に自分自身を生きる感覚」を大切にしているということです。これに対して「心の中で遊ぶ平和主義者」は自分自身から逃げてしまい、自分自身を見つめることを避けるのです。つまり、苦しかったり嫌な思いをしたりしてまで「自分自身でいること」に価値を見出さないと言って良いでしょう。だから、ある限界内ではたいてい譲歩してしまうのです。そして、その限界を超えて譲歩してしまった時にやってくるのが、反抗や対決ではなく「不登校」ということになります。

=平和をもたらしあらゆる困難を楽々と運ぶ大河のような「力」=

カウンセリングでは、本来このタイプが持っている「力の感覚」を思い出してもらう様に努めます。「力の感覚」って何?こういう性格タイプに「力」なんてあるの?と疑問に思われるかもしれません。しかし実際、このタイプは、本来、他の性格タイプが持っているあらゆる「力」を持っています。「思考回路型」が持っている「知性(考える力)」、自分らしさにこだわり抜く「個性派」が持っている「創造性(美的センス)」、冒険を楽しむ「好奇心」、人に対して尽くす「誠実さ」、高い「理想」、人を受け入れる「寛容」、そして何より人に平和をもたらしあらゆる困難を楽々と運ぶ大河のような「力」です。

=偉人にもこのタイプは少なくない!=

いろいろ伝記を読んでみますと、例えば、南アフリカで黒人初の大統領となったネルソン マンデラ氏やインドをイギリスの植民地支配から救った不服従運動のガンジーがこのタイプではなかっただろうかと思います。

=自分自身にもう一度、目覚める!=

要するにこのタイプが本来持っている「自分らしさ(アイデンティティ)」をしっかりとつかみ直してもらい、自らが持てるものを総動員すれば、現実にしっかりと取り組み、その取り組みを最後まで貫くことが出来るのだと知ってもらうのです。そしてその時の感覚こそが「真に自分自身を生きる感覚」なのだと悟ってもらうのです。これは、自分自身にもう一度目覚めるということと同じです。

=自己実現=

自己実現の結果、このタイプは落ち着きを取り戻し、穏やかでいながらダイナミックな存在感をもって、しっかり世界とつながることが出来るようになります。

=誰しも命の泉が枯れ果てる時はある=

さて、これで不登校になりやすい三つの性格タイプについて書きました。

注意しなければならないのは、不登校になるのは何もこの三つのタイプだけだという訳ではないことです。もちろん他の性格タイプも不登校になります。言い換えれば、人間だれしも「命の泉」が枯れ果ててしまう時があるということになります。

=これ一つでOKという方法はない=

そして、性格タイプによって「どのように呼び水を注ぐか」それぞれ異なりますし、「命の泉」がよみがえるまでの時間も異なります。三つの性格をこうして比べてみて、これほどの違いがあるのですから、「これ一つで不登校は100%治る式の克服方法」がある訳はないのです。しかし、間違いなく言えるのは、不登校は克服可能だということです。

=何か理由があってご家庭を訪れた=

なにより忘れたくないのは、不登校は何か理由があってご家庭を訪れたということです。

不登校を克服した家庭は、以前よりずっと幸せそうに見えます。家族の一人一人が分かり合い絆を強めて生きることが出来るようになったかのようです。

親御さんのみなさま、親の皆様が自分らしさを大切にしながら、頑張りすぎないように頑張って行けますように、いつも声援をお送りしています。

以上

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  • カテゴリー: 未分類 |
  • 投稿日: 2019年03月4日 |

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