機能不全家庭を生き延びたAC!第2回「リトルナース」

「リトル ナース(小さな看護士)」として、「機能不全家庭」を生き延びようとするのは、「自己犠牲を厭わない献身の人」と私が呼ぶ性格タイプです。

=何故だか分からないけど「私は人を助けたい!」=

このタイプは、自分が機能不全家庭にいようがいまいが、もともと親切でお人好しで世話好きです。自分では気がつきませんが、ほとんど誰彼構わず助けてあげたいと望んでいます。ケア テイカー(Care Taker:世話する人)とも呼ばれます。いつも自分自身の事は後回しになりがちで、いつも人の気持ちに寄り添い、自分を犠牲にしてでも相手を喜ばせたいと望んでいます。このタイプは、「愛する人」であり、「面倒を見る人」であり、「喜ばせる人」です。愛、親しさ、分かち合い、家族、友情、これらが本当に善いもので、自分にとって何より大切なものだと知っています。だから、自己犠牲を厭わず、家族や友人に献身しようとするのです。

=献身に喜びを見出す!=

家族や家庭に不幸が訪れると、一見、元気づいて、家族の世話をしようとします。端(ハタ)から見ていると、こんなことになってしまったのに何故、落ち込んでしまわないのだろうと感心してしまいます。まるで自分の出番が来たと言わんばかりに張り切ります。時には、親に慰めの言葉をかけ励まし、親の代わりを自分が果たそうとします。その犠牲的な働きぶりから、実際、生きがいを見出して献身に喜びを見出しているかのようです。

=家族間の調整役も果たす=

自分が進んで家族の世話を焼くことで、家の中の問題を何とか解決しようと奔走します。「優しい子」、「思いやりのある子」として、幼い兄弟姉妹の世話をするばかりでなく、親の愚痴を聞いたり親を手伝ったり、何かと家事を見ようとします。自分が仮に末っ子だったりしても、兄や姉のように泣き叫んだり、やけになって家事を放り出したりせず、我慢強く家族を手伝おうとするのです。家庭内の混乱の中で家族間の調整役を必死でこなします。自身の事はそっちのけで、家族のために何かをしようと常に考えているのです。幼くして健気(ケナゲ)です。

=外見とは違う内面=

その外見とは裏腹に、心の奥底では自分に自信がなく、常に周囲から責められているように感じます。もともと自分のために何かを欲しがったり、自分のために何かをしたりすることは、「いけないこと」と無意識に思っているのですが、その原因は、「あるがままの自分でいるだけでは、愛されもしないし求められもしないのではないか」という無意識の恐れにあるのです。

=刷り込まれる罪悪感=

これは奥深い恐れで、ほとんど物心つくころから、繰り返し無意識にすり込まれて来たと言って良いでしょう。そして、その無意識の刷り込みは、機能不全家庭で、人の役に立たなければ自分の存在価値はないし、そう言う自分は「愛されず、うち捨てられる」と固く信じるのです。この思い込みは、ほとんど罪悪感と言っても良いほどのものになります。

=自分の自然な感情を認めることが出来ない=

家族の一人一人から頼りにされ、依存されることで、少しでも家族の平和を保とうとします。同時に、自分自身を責めます。「まだ駄目だ、まだ駄目だ」と自分を鞭打つのです。本当は、自我を見失っている状態で、「疲れた。少し休みたい」という自分自身の正当な欲求や、「お父さん(お母さん)が悪い。自分は悪くない」という自然な感情を認めることが出来ません。つまり、家族から依存されることを願いながら、痛ましいほどに消耗していくことになります。

=小さな親を演じている!=

女の子に多いかと言うと決してそういうことはありません。男の子でもこういう役回りを演じて生き残りを図っている場合は少なくありません。リトルナースはこの意味で「小さな親」を演じることで生き延びようとするのです。

 

次回は、「ピエロ(道化師)」をお届けします。

 

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